乳がんの早期発見について

日本で、年間約3.6万人が乳がんと診断されており、さらに2015年には、約4.8万人に増えると予測されています。
乳癌の発症は、40歳から60歳台にピークがあり、全体の70-80%を占めます。乳がんによる死亡を減少させるためには、乳癌を早期に発見し、適切な治療が必要です。
乳がん推移Book2(2)

乳がんの早期発見早期治療のためにはどうすればよいか

乳がんの特徴として、

1)自己検診が容易である。
2)比較的簡単な検査で診断ができる。
3)縮小手術(乳房温存術)がある。ということが言えます。

胃がんや肺がんは体の奥にあるので、自分で触知することはできませんが、

乳がんは表面にあるため、触診によって発見することができます。

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また乳頭からの分泌物などにも気付くことができます。自己検診のポイントは、乳腺をつかむのではなく、指のはらで乳腺を押さえ、胸壁との間でしこりをみつけることです。鏡の前に座って触れるのに加えて、横になって行うとさらに分かりやすいと思います。必ず、月に1度の自己検診を行いましょう。
しこりには、良性のしこりと悪性のしこり(乳癌)があります。良性には、線維腺腫、のう胞、乳腺症によるしこりなどがあります。自己検診で悪性か良性か判断することは難しいので、何か気になるしこりをみつけたら、早めに受診してください。またしこりとして触れにくい乳がんもありますので、自己検診で異常がない方でも、年に1度は医療機関を受診して乳がん検診を受けられることをお勧めします(主に外科・産婦人科)。
乳がん検診には、問診視触診、画像診断としてのマンモグラフィーと超音波検査があります。マンモグラフィーでは、通常の乳癌のほかに、しこりを触診できない早期の乳がんの発見も期待できます。また超音波検査も、しこりの性状を詳しく観察でき、早期発見に有用です。なにか異常所見があれば、さらに検査を進めて適切な治療を行うことができます。

近年、手術方法も進歩し、乳房全体を切除する手術から乳房を温存する手術の割合が大きくなってきています。早期発見早期治療をめざして、しっかりと取り組んでいきましょう。

乳がん・甲状腺検診を最新の医療機器を利用して行っております。

視触診

乳がんや甲状腺を見たり触ったりして「しこり」を発見する診断方法です。乳がんの初期段階では、他のがんに見られる疲労感や食欲不振による体重の減少などの症状がほとんどないという特徴がありますので、専門家による触診はもちろん、自己検診が早期発見には重要です。

超音波検査(エコー検査)

視触診で発見しにくい、小さな腫瘍やがん細胞を発見するのに有効な診断方法です。乳房に人の耳に聴こえる音よりも更に高い音(超音波)を送波する機械を当て、乳房内部から返ってくる音波の変化をコンピューターで画像に変化させて、その断面図を見るものです。特徴としては、自由な角度から観察することができ、動いている様子もみることができるので様々な検査に利用されています。また、人体への影響(危険性)がほとんど無いため、胎児や妊婦にも問題なく検査が行えます。全く痛みもなく、検査費用も比較的安価です。特に20歳台、30歳台の方には有効です。乳管内進展の有無や程度でも疾患の判断をします。

神田クリニックは、大村市の乳がん検診指定医療機関です。
※マンモグラフィー(乳房専用のX線撮影のこと)については、大村市立病院などでの診察となっております。

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【甲状腺炎などについて】

慢性甲状腺炎について

1912年に日本の橋本策博士により報告されました。橋本病とも呼ばれています。成人女性の10~20%、成人男性の5~10%にみられるとされる頻度の高い病気です。症状が問題になるのはその数分の1以下です。

自覚症状

疲れやすい、だるい、寒がり、発汗減少、むくみ、便秘、声しわがれ、過多月経、筋肉痛、こむら返り、聴力低下など。

他覚症状

甲状腺腫、むくんだ顔貌、乾燥皮膚、脱毛、徐脈、アキレス腱反射弛緩相遅延、巨舌など。
進行が緩やかなため気付かれにくいことが多いようです。甲状腺機能低下症の程度により、一部の症状しかみられないことも多くあります。原因は、自己免疫の異常でリンパ球が甲状腺を刺激し、慢性の炎症が起こるとされています。家族内に集積する傾向がありますが単純な遺伝性疾患ではなく、いくつかの遺伝的素因と環境因子が複合的に影響して発症するものと考えられています。

診断

頸部触診を初めとした全身の診察の他に、血液検査で甲状腺自己抗体を測定し、甲状腺超音波検査にて診断します。また、甲状腺ホルモン(fT4など)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定してホルモンの分泌状態を判定します。甲状腺ホルモンが不足していると甲状腺刺激ホルモンは増加します。

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